経営業務の管理責任者は建設業の営業取引上、対外的に責任を負う立場です

「会社から経営業務の管理責任者になってもらえないかと打診されたのですが、経営業務の管理責任者になることでどんな責任が生じるのでしょうか?というようなお問い合わせをいただくことがあります。

依頼する側は気軽な感じで頼んでいることもあるようですが、受ける場合も気軽に受けていいのかというと、当然そんなことはありません。経営業務の管理責任者は何なのかをきちんと理解しておく必要があります。

そもそも経営業務の管理責任者の要件は?

経営業務の管理責任者とは、「営業取引上、対外的に責任を有する地位にある者で、建設業の経営業務について総合的に管理した経験を有し」ている人のことです。簡単に言うと、建設業を営んでいる会社での役員経験や個人事業主として建設業を営んできた経験のある人のことを言います。

建設業許可を受けるにあたっては、最低1人は建設業の経営全般について一定の経験を積んだ人がいるべき、という考えに基づいて、経営業務の管理責任者が必要とされています。

経営業務の管理責任者は個人事業主や常勤の取締役でなければなりません。営業日は基本的には営業所にいて、その仕事をしなければならないというルールにもなっております。建設業を営んでいく上での重要な役割があるため、要件も厳しくなっています。

経営業務の管理責任者の責任

「経営業務の管理責任者にはどんな責任が生じるのか?」という問い合わせですが、経営業務の管理責任者は、営業取引上、対外的に責任を負うとされていますので、建設業の経営上の責任が生じると言えるでしょう。建設工事などで営業上の不祥事などが生じた場合は、その責任を負わなければなりません。

また、経営業務の管理責任者は常勤の役員や個人事業主が該当しますので、建設業以外の経営責任も当然生じてきます。何かの時には他の役員と同様に責任を負う立場です。名義貸しのようなことで話が出ることもあるようですが、当然違法行為ですし、責任も生じます。安易に引き受けることはやはり避けるべきでしょう。

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