建設業法では「経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員を除く)にいて経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験」でも常勤役員等(経管)の要件を満たすことができるとされています。ただ、これはどういった方のことを指していて、どういった書類があれば要件を満たすことができるのかとても分かりにくいように思います。
そこで、ここでは、経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験で常勤役員等(経管)の要件を満たすにはどうすればいいのかを、わかりやすくお伝えしていこうと思います。
経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験とは
どのような役職でどのような経験をしているか
まず、「経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員を除く)にいて経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験」について考えてみます。「経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員を除く)」というのは取締役や執行役員がいる会社であれば執行役員の直下の立場にいる人のことを指しています。一般的な役職で言うと、「部長」「本部長」などが該当するように思います。
ただ、部長や本部長といった役職ならばどんな業務内容でもいいのかというとそうではなく、「経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験」が必要となっています。ここでいう経営業務の管理責任者は建設部門を管轄する人のことを指しています。取締役であったり、建設部門担当執行役員などのことです。つまり、建設部門のトップの直下の立場の役職で仕事をした経験となります。
執行役員5年以上の経験との違い
取締役会設置会社で執行役員がいる場合は5年の経験で常勤役員等(経管)の要件を満たすことができるとされています。執行役員は取締役会から権限の委譲を受けて業務執行する立場の人ですので取締役に準ずることがわかりやすくなっています。これに対して6年の経営業務の管理責任者を補佐した経験というのは、取締役会で任命されている必要がなく、取締役や執行役員の下の立場となるので、証明しなければならない期間が1年長くなっているのだと思われます。また、6年以上経営業務の管理責任者を補佐したという経験も証明する資料が煩雑になってきます。
ちなみに執行役員5年の経験で常勤役員等(経管)の要件を満たすための方法以下で紹介をしています。
経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験を証明するための資料
経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験についてご理解いただけたら、次は、経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験を証明するための確認資料についてもお伝えしていきます。
組織図で職位を確認する
組織図を添付することで常勤役員等(経管)になる方の経験が取締役等や執行役員に次ぐ立場であることを確認します。執行役員の制度がない場合は、取締役等の直下の地位にいるかどうかを確認します。取締役会設置会社で執行役員制度がある場合は、執行役員の直下の地位にいる子の確認と、その執行役員が取締役会から権限の委譲受けて、建設部門の業務執行を担当している執行役員であることの確認が必要になることもあります。
取締役の次の立場にいるか、執行役員制度がある場合は執行役員の次の立場でにいたことを証明する必要があるのです。
業務分掌規程で建設業部門での経験かどうかを確認する
経験の内容が建設業部門での経験かどうかを業務分掌規程で確認します。経験を積んだ部門が建設業部門でなければ認められません。
決裁文書、稟議書で経験の内容を確認する
業務分掌規程で建設部門での経験は確認できますが、6年以上補佐した経験は、執行役員のように取締役会で権限の委譲などはされていません。そのため、取締役や執行役員の直下の職位で業務に従事したことを別途証明する必要があります。
取締役や執行役員の直下ですので職位としてはかなり高いです。その業務内容を証明するために決裁文書や稟議書といった書類が確認資料として必要になります。決裁文書や稟議書で以下のような経験を証明します。
- 資金の調達
- 技術者や技能者の配置
- 下請業者との契約の締結等の経営業務全般
年間どれくらいの分量の資料が必要になるのかなどは各役所の判断になります。
人事発令書で6年以上の期間を確認する
経営業務の管理責任者を補佐した期間は人事発令書で確認をします。6年以上その立場にいたことがわかる人事発令書を準備します。1枚とは限りません。毎年毎年のことであれば6枚必要なります。
そのままの立場で常勤役員等(経管)になることができるか
経営業務の管理責任者を6年以上補佐した経験で常勤役員等(経管)の要件を満たすことはできますが、そのままの職位で常勤役員等(経管)になることはできません。申請する際は常勤の取締役等や執行役員になっている必要があります。
取締役の場合は、会社の謄本で取締役に就任したことが確認できますが、執行役員の場合は、会社から権限が委譲されていることや、すべての建設部門を管轄している執行役員であることなどの確認が別途必要になります。